各種団体の会費については、それぞれの団体の目的やその団体から受けるサービスの内容によって教育研究経費か管理経費かに区分されます。 しかし、質問のようにその内容が教育研究に係るもの以外に、明らかに管理経費で処理するのが妥当と考えられるものが含まれている場合、合理的に按分するなどにより、支出額を「教育研究経費(支出)」と「管理経費(支出)」に区分して処理することも考えられます。
教育研究水準の向上に資することを目的として、上記質問による評価が、学校教育法第六十九条の三第一項に基づいた、自己点検・自己評価又は第六十九条の三第二項の認証評価機関による評価であるならば、法令で示されているとおり、その目的は「教育研究水準の向上に資するため」であるので、それらに係る費用は「教育研究経費(支出)」として処理することが妥当です。
しかし、上記の学校教育法上の自己点検・自己評価とは別に、学校法人の運営状況等の点検・評価を自ら実施するものもあり、その場合には「日本私立学校振興・共済事業団編『学校法人の経営に関する実務問答集《第2次改訂版》』」の設問95(自己点検・自己評価書の印刷代の会計処理)の考え方を受けて、「教育研究経費(支出)」又は「管理経費(支出)」に合理的に按分することが妥
当です。
(参考) 『学校法人の経営に関する実務問答集《第2次改訂版》』」の設問95
Q.自己点検・自己評価書の印刷代は「教育研究経費(支出)」か「管理経費(支出)」か
A.各学校の自己点検・自己評価書の内容を見ると教育研究活動に関するものが中心であるが、一部に管理的な内容も含まれているものもある。管理的な内容が含まれている場合は原則として合理的に按分するのが望ましい。(平成9年)
区分 | 資金収支計算書 | 消費収支計算書 | 貸借対照表 |
購入時 | その他の支出 預託金支出 |
- | その他固定資産 ※1 預託金 |
売却した時 ※2 |
その他の収入 預託金回収収入 |
- | 流動資産 現金預金 (預託金はなくなる) |
廃車した時 (最終所有者として引取業者へ引渡した時) ※3 |
(1)その他の収入 預託金回収収入 (2)教育研究(管理) 経費支出 委託手数料支出 |
教育研究(管理)経費 委託手数料 |
(預託金はなくなる) |
学校が保護者に対して、学生の就学状況や昨今の就職状況を説明することは、学生に対する教育効果を最大限に発揮するためには重要な活動であり、厚生補導活動の一環と考えられます。
したがって、「教育研究経費(支出)」で処理することが妥当です。
ア:クラブ活動は学生に対する教育活動の一環として行われるものであることから、顧問等として練習等で休日に出勤した場合に支給する手当は、当該教職員が常勤及び非常勤を問わず、「人件費(支出)」として扱うのが妥当です。
イ:学務等のための出張費は、旅費交通費としてその用務に従い教育研究経費または管理経費として処理されることになりますが、クラブ活動は学生に対する教育活動の一環として行われるものであることから、そこから生じる旅費交通費は「教育研究経費(支出)」として扱うのが妥当です。
大学・短大等のカリキュラムや教育内容の現状を分析し、その結果を検討するためのコンサルタントであるから、教育内容充実に向けた教育上の取組みと考えられるので、「教育研究経費(支出)」として処理することが妥当です。
ただし、分析・検討の結果、実際に改組等を行う場合、認可申請等に要する経費は「管理経費(支出)」となるので注意が必要です。
学校会計基準において資産の評価は、取得価額をもって計上することが原則であり、付随費用も取得原価に含まれます。有価証券についても、取得にあたって支払った対価に販売手数料を含め、取得価額とします。
しかし、今回の質問にある口座管理料は、口座全体を管理するために必要な費用であり、個々の外国債券の取得に対して発生する付随費用ではないことから、取得価額に含めることなく、「(大科目)管理経費(支出)」とし、「(小科目)報酬・委託・手数料(支出)」等として経費処理することが妥当です。