平成17年5月13日付け文部科学省高等教育局私学部長通知「学校法人会計基準の一部改正について」第三留意事項2(1)では、「資産総額若しくは帰属収入や消費支出又は消費収支差額などに照らして重要な影響を与える場合」に記載するものであることとあります。
したがって、「重要性」の判断は、各学校法人に委ねられているが、財政及び経営の状況を正確に判断するために積極的な記載が望ましいのですがより詳細な内容については、ご相談ください。
「会計上の見積りの変更」は、会計方針の変更等には該当しません。 なお、「会計上の見積り」とは、「財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時にあるいは経済的に入手できないために確定できない場合に、会計上の見積りが必要となり、当該金額は概算により計上される」ことです。
未上場株式については、時価がないものと考えられるため注記の必要はない。 しかし、学校法人会計基準第27条に定める有価証券の評価換えが必要かどうかを判定する場合に算定される時価は、実質価額すなわち通常一般に公正妥当と認められた企業会計の基準に従い適正に作成された財務諸表を基礎とした一株あたりの純資産額をいう。
役員に関しては、学校法人が関連当事者を正確に把握する上でも書面により、毎年、調査を行うことが望ましいと考えられます。 教職員については、学内掲示板・イントラネットなどで周知を徹底し、該当者には申し出てもらい、初回調査後は変更があった場合のみ、調査表を提出してもらう方法も考えられます。
学校法人の出資割合が二分の一以上の会社については、「学校法人の出資による会社に係る事項」として注記するため、当該会社が関連当事者であっても「関連当事者との取引」の注記事項としては扱わないこととされているが、学校法人の出資による会社は、学校法人の年度末(3月31日)における出資割合が二分の一以上の場合に記載することとなっているため、質問の場合は、学校法人の出資による会社の注記には該当ません。
一方、関連当事者との取引の注記に該当するか否かは、個々の取引の開始時点で判定するものとされており、当該会社が会計年度中に関連当事者に該当しなくなった場合には、関連当事者に該当している間の取引については、関連当事者との取引として注記しなければならないことに留意する必要があります。
学校法人の規模等に応じて、取引金額及び残高からみて重要性が乏しい取引については省略することが考えられる。その重要性については、各学校法人の実態に応じて金額を決定して差し支えません。
しかし、関連当事者との取引が無償の場合又は有償であっても取引金額が時価に比して著しく低い金額等による場合には、原則として第三者間において通常の取引として行われる場合の金額等によって重要性を判断して注記することとされていることに留意しなければなりません。
協会Q&A第17号の「Q30」では、「その他考えられる注記項目」として、以下の項目が例示されています。
■その他の重要な会計方針
(1)減価償却の方法等について
(2)減価償却資産の計上基準について
■その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項
(1)退職年金制度について
(2)継続企業の前提について
上記の項目の注記については、消費収支計算または消費収支差額に影響を及ぼす場合等、各学校法人の判断により注記されることとなりますが、詳しくはご相談ください。
日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センターより一部抜粋しています。